任意整理をすることで、借金の額(債務元本)が減る、和解後の利息を支払わないで済むという二つの効果が期待できます。
1.借金の元本が減るケース
法定金利(借入元本が10万円以上100万円未満の場合は18%)を超える金利での取引があった場合には、一番はじめに借りたときにさかのぼって、全ての取引経過を利息制限法で定められた利率で計算しなおします。これにより、今まで払い過ぎてしまっていた利息を元本に組み入れることができるので債務残高が減ります。
よって、平成22年6月18日に改正貸金業法が完全施行された後の新規借入の場合には、消費者金融であっても法定金利を超える利率での契約をしていることはありません(もし、法定金利を超えているなら、その相手方は違法業者、いわゆる「ヤミ金融」です)。
また、法律改正前であっても、貸付金利を利息制限法の上限金利である18%以下(100万円未満の場合)に引下げているケースも多くありました。このように、利息制限法の上限金利を超えない金利での貸付の場合、払いすぎた利息は存在しませんから、任意整理をしても借入元本は減りません。
2.将来利息の免除
任意整理した後の返済については利息を付けないのが原則ですから、たとえば、30万円の借入元本があったとして、月々1万円ずつ支払えば30回で完済することができます。
総額100万円を年18%の利率で借り入れしていたとすると、1ヶ月で1万5千円の利息がかかります。そのため、3万円を支払ったとしても半分しか元本の返済に回りません。
それが任意整理をすることで和解後の利息(将来利息)の免除を受けられたとすれば、返済が大幅に楽になることが期待できるわけです。
3.任意整理しても支払いが楽にならない場合
消費者金融の中には、過払い金返還請求が増大したことで経営状態が大幅に悪化しているところもあります。このような会社の中には、任意整理をしても、その後の利息免除に応じないことがあります。
任意整理をしても、借入元本が減らず、将来利息の免除もされなければ、手続をしたことによるメリットは無かったことになります。このような場合、任意整理をあきらめて、個人民事再生、自己破産などの方法を取らざるを得ないかも知れません。
そのような場合であっても、借入先の状況などを考慮して最適な債務整理方法をご提案します。あきらめずに司法書士へご相談ください。