自己破産とは、破産法という法律により定められた手続きです。これによれば、債務者が支払不能にあるときに、裁判所は破産手続を開始するとされています。

「支払い不能」とは、今月の返済ができないというだけでは無く、それ以降も継続して返済ができない状態を指します。また、その人が支払い不能であるかは、所有している財産の状況や、今後の収入の見込みなどにより総合的に判断されます。

したがって、借金がいくら以上ある場合に自己破産するべきなどと一律に判断することはできません。借金の額が年収を大きく上回っている場合に、自己破産を選択するべきだといわれることもありますが、そのように一律の判断をするのも正しいとはいえません。

たとえば、借金の総額が100万円未満で年収には満たなかったとしても、高齢であったり病気や怪我のために今後の収入増が見込めないのであれば、自己破産をすることもあります。

一方では、収入の総額が多い場合には、年収以上の借金があっても支払い不能にはあたらないと判断されることもあり得ます。極端なことをいえば、年収1,000万円のうちの半分を返済に回すことが可能だとすれば、1,000万円の債務であっても分割弁済が可能なはずであるわけです。