任意整理をする際、相手方(債権者)の審査を受けるために、給与明細などの提出を求められることは通常ありません。

任意整理の依頼を受けた司法書士は、ご依頼者(債務者本人)の収入および支出の状況についてご確認します。その上で、実行可能な返済計画が立つ場合には債権者との交渉を進めますし、任意整理による支払いが困難だと判断すれば、他の債務整理方法を検討することになります。

債務整理の経験が豊富な専門家(司法書士、弁護士)であれば、借金の額や収支の状況を見ることで、任意整理による支払いが可能であるかは予想できます。それでも、最終的に任意整理を選択するかの判断は、ご依頼者の自己申告により判断されることになります。

したがって、任意整理を出来るかどうかは、審査に通るかどうかという基準によって決定されるものではありません。実際、少し厳しいと思われる返済計画であっても、支払いたいとの強い意志がある場合には任意整理を選択することもあります。

反対に、現状では任意整理による支払いが可能だと判断できるとしても、勤務先の業績や、債務者ご自身の体調などを考慮して、自己破産や個人民事再生を選ぶべき場合もあります。