1.和解・判決後に相手方の消費者金融等が破綻した場合
過払い金返還請求をして、任意での和解が成立し、和解契約書を交わしたとします。
和解契約で定められる過払い金の返還期日は、和解日よりも後になるのが通常なので、和解が成立してから実際に返金されるまでの間に相手方が倒産してしまうこともあり得ます。
過払い金の返金を受ける前に、相手方が裁判所へ破産(会社更生、民事再生)申立てをしてしまうと、その後は、裁判所の決定に基づいて返済(配当)が行われることになります。
したがって、支払期日が来ても個別に支払ってもらうことはできません。また、裁判所の主導による配当では、和解や判決により確定した金額より、配当額が大幅に減額されてしまうことも多いです。最近の実例は次のとおりです。
・武富士 会社更生 第1回弁済の配当率3.3%(第2回弁済は未定)
・アエル(旧日立信販、旧ナイス)民事再生 配当率5%
・フロックス(旧クレディア) 民事再生 配当率40%(但し、過払い金が30万円までの場合は全額を支払う)
武富士では第1回弁済の配当率が3.3%ですから、過払い金が100万円あった場合に戻ってくるのは、3万3千円だということです。第2回弁済については、実際に行われるかも含めて未定ですが、仮にあったとしても第1回を超えるような配当率になる可能性は極めて低いでしょう。
また、平成23年9月に破綻したSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)の場合は、破産申立をしていますので多くの配当は期待できないと思われます。
2.過払い金を確実に回収するには
過払い金を取り戻すためには、少しでも早く行動を起こすことが大切です。
相手方の貸金業者(消費者金融、クレジットカード会社)が倒産することは無いとしても、過払い金の返還を求める権利(過払い金返還請求権)は、取引終了から10年で時効になってしまうと考えられるからです。
また、相手方の経営状況によっては、返還額が多少減額になるのを受け入れてでも、早期の返還を求める必要があるかもしれません。いずれにせよ、先延ばしにすることで事態が好転する可能性は無いと言ってよいでしょう。
3.過払い請求する前に相手方が破綻している場合
通常は定められた期日までに債権届出をしなかった場合、過払い金債権は権利を失うこととなります。それぞれの貸金業者の取扱いについてはお問い合わせください。
「過払い金返還請求」の関連情報
・過払い請求 (「債務整理・過払い金請求」ホームページ)
過払い金返還請求については、千葉県松戸市の高島司法書士事務所にぜひお問い合わせください。