しかし、消費者金融からの借金ではなく、クレジットカードのカードローンやキャッシングを利用していた場合でも、過払い金が発生していることがあるのはあまり知られていないかもしれません。
現在では、貸金業法が改正されたことにより、消費者金融、クレジットカードのローンやキャッシングのいずれであっても、利息制限法の上限金利(借入元本が10万円以上、100万円未満なら18%)を超えての貸付をしていることはありません。
けれども、それ以前には、クレジットカードによるキャッシングや、カードローンでも法定金利を超える利率での貸付が行われていたことがあるのです。この場合には、過払い金が発生しており、その返還請求ができるかもしれません。
たとえば、オーエムシー(現セディナ)、イオンクレジットサービス、エポスカード、クレディセゾンといった、スーパーやデパートが発行している、いわゆる流通系といわれるクレジットカードでは軒並み法定金利を超えての契約をしていたと思われます。
それ以外のクレジットカードであっても、三菱UFJニコスをはじめ、キャッシングやカードローンの契約利率が、法定金利を超えていたものは数多いので、過払い金が発生しているかもしれません。
過払い金の返還請求は、取引をしている最中でも、解約した後でもすることができます。ただし、取引終了(解約)から10年間が経過すると、過払い金の返還請求権が時効により消滅してしまうこともあります。
過払い金が発生していたとしても、それを相手方であるクレジットカード会社が教えてくれることはありません。時が経てば、いつのまにか過払い金返還請求権が時効消滅してしまうだけです。
過払い金の存在に気付いたきっかけ
子であるご相談者が何とか頑張れば支払えない額の借金では無かったのですが、結婚してからは同居しておらず、母が借金をしていることすら知りませんでした。そのような状況で、子が親の借金を肩代わりする必要は法律上ありませんし、道義的にも責任は無いと考えられるでしょう。
司法書士が債務整理のご依頼をいただいた場合、たとえ自己破産をする場合であっても、債権者に受任通知を送り取引履歴の開示を求めます。
今回のケースでも当然、同様の手続を行いました。すると、借入先のうちの1社である三菱UFJニコスに対して過払い金が発生していたのです。ご相談者からすれば、クレジットカードを利用していて過払い金が発生することがあるとは夢にも思っていなかったようです。
そこで、自分自身も以前にクレジットカードでキャッシング(または、カードローン)を利用していたことを思い出して、過払い金返還請求をご依頼いただくことになったのです。
今回は、ご家族の債務整理手続(自己破産)の相談をしたことで、ご自身の過払い金の存在に気付いたわけですが、そのようなきっかけが無ければ、過払い金の返還請求をすることは無かったでしょう。
なお、過払い金の返還請求は、債務整理ではありません。過払いが生じているということは、相手方に対して債権がある状態なわけですすから、債務者ではなく債権者なのです。したがって、過払い金返還請求をすることで、信用情報に傷が付く(ブラックリストにのる)ことはありませんし、不都合が生じることは何も無いのです。
もしかして、ご自身に過払い金があるかもしれないと思われる方は、お気軽に司法書士にご相談ください。相談だけなら費用はかかりませんし、また、完済後(解約後)の過払い金返還請求では、実際にお金が戻ってきた場合にのみ報酬をいただくので、損をする(費用倒れになる)ことは絶対にありません。