小規模個人再生では、再生計画案について再生債権者による決議があります。この決議において、債権者数の半数以上、または総債権額の半分以上の債権者が反対したときには、再生計画案は否決されてしまいます。
この場合、再生計画案の再提出などの救済措置は無く再生手続が廃止になります。この場合に採るべき方法はどうなっているのでしょうか。
再生計画案が否決されるケースは多くはないとはいえ、一部の公的金融機関などが再生計画案に反対することもあるようですし、やはり気になるところでしょう。
職権による破産手続きの開始は?
民事再生法250条では、再生計画不認可の決定が確定した場合において、職権で破産手続開始の決定をすることができると規定されています。しかし、多くの裁判所では、小規模個人再生手続において再生計画案が否決されて手続きが終了しても、直ちに破産手続きの開始決定がなされる取扱いとはしていないようです。
そこで、この場合に採用できる債務整理手続きとしては、自ら自己破産申立をする以外に、任意整理をすることも可能ですし、また、再度の個人民事再生申立てをすることも認められています。
ただし、再び小規模個人再生の申立てをしても、事前に債権者の同意を得ることが出来るのでなければ、再び再生計画案が否決されてしまう危険性が高いと思われます。
したがって、給与所得者等再生が利用できる要件を満たしているのであれば、計画弁済総額が多くなってしまうとしても、小規模個人再生を諦めて給与所得者等再生の申立てをすることも検討すべきでしょう。
「個人民事再生」の関連情報
・個人民事再生(個人債務者再生手続)
・住宅ローン返済が苦しいとき(千葉県松戸市の高島司法書士事務所ホームページ)