裁判所から、「アビリオ債権回収株式会社による訴状や支払督促が送られてきた」とのご相談を数多くいただいています。
プロミス株式会社(現商号:SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)、三洋信販株式会社などからの過去の借金が、債権譲渡などによって最終的にアビリオ債権回収株式会社へ債権が移っており、それによって、アビリオ債権回収株式会社が原告(債権者)として裁判手続きをおこなってきているわけです。
債権回収会社から訴状や支払督促が送られてきている場合であっても、すでに消滅時効期間が経過しているのであれば、それから消滅時効の援用をすることが可能です。たとえば、答弁書によって消滅時効の援用をした場合、すぐに原告が裁判を取り下げてくることが多いです。
時効期間経過後の訴訟などへの対応については、「消滅時効の成立後に訴状(支払督促)が届いたとき」をご覧ください。
時効の更新を目的とする訴訟申立て
上記のようにすでに時効期間が経過している債権についての訴訟ではなく、過去の裁判などによる法的手続きによってすでに債務名義(判決など)を取得している債権について、時効の更新を目的として再び訴訟申立てがされることがあります。
たとえば、平成23年7月の判決により債務名義を取得している場合、令和3年7月には10年の時効期間が経過することになります。
確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする(民法169条1項)
上記のとおり確定判決などにより確定した権利の消滅時効期間は10年となっています。裁判などの法的手続きにより確定判決を得れば、そのときから10年間は時効が完成しなくなるわけです。
しかし、判決が確定したときから10年が経過すれば消滅時効にかかってしまうので、それを阻止するために時効の更新を目的として再度の訴訟申立てがされることがあります。
アビリオ債権回収株式会社からの、このような時効の更新を目的とする訴訟申立てについてのご相談をいただくことがありますが、10年の時効期間が経過する前に訴訟申立てをされているため、消滅時効の援用により解決を図ることはできません。
「債権回収会社などから訴状や支払督促が送られてきたがどうしたらよいか分からない」という場合には、できるだけ早く専門家(弁護士、認定司法書士)に相談するようにしてください。松戸の高島司法書事務所でもご相談を承っておりますので、事前にご予約のうえご相談にお越しください。