AG債権回収株式会社から「請求書」が届いた、または、AG債権回収株式会社の通知代理人である弁護士法人日本橋さくら法律事務所から「特別減額和解案のご案内」というようなタイトルの通知が届いたとのご相談がありました。

まず、AG債権回収株式会社は、消費者金融であるアイフル株式会社の子会社です(同社は、令和2年7月に社名をアストライ債権回収株式会社からAG債権回収株式会社に変更し、本社を滋賀県草津市に移転しています)。

今回のご相談も「アイフル株式会社から過去に借金をしていたが、途中で返済が滞ってしまっていたところ、上記のような書類が突然送られてきた」というものです。

1.AG債権回収株式会社への時効援用

2.債権の弁済期、譲受年月日の見方

3.弁護士法人日本橋さくら法律事務所からの通知

1.AG債権回収株式会社への時効援用

最初に送られてくる、AG債権回収株式会社からの請求書についても、名前も聞いたことがない会社だからといって、詐欺や架空請求のようなものだと決めつけてしまうべきではありません。

この請求書の記載内容を確認すると、「譲受元」としてアイフル株式会社と書かれています。

つまり、AG債権回収株式会社がアイフル株式会社から債権を譲り受けることで、新たに債権者となって請求をしてきているわけです。

どうしたら良いのかわからない場合でも、ご自分で相手方(AG債権回収株式会社)に電話連絡などをするのは避け、すぐに専門家(認定司法書士、または弁護士)に相談するべきです。

松戸駅東口徒歩1分の高島司法書士事務所(千葉県松戸市)でも、AG債権回収株式会社への時効援用のご相談をうけたまわっています。

当事務所へのご相談は予約制なので、ご相談予約・お問い合わせのページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いします(LINEによるご相談予約もできます)。

2.債権の弁済期、譲受年月日の見方

AG債権回収株式会社からの請求書には、「譲受元」であるアイフル株式会社の下に、「譲受年月日」が記載されていました。

この譲受年月日に、AG債権回収株式会社がアイフル株式会社から債権を譲り受けたというわけです。

最初に確認しておくべきは、消滅時効が完成しているかどうかの判断にあたって、この譲受年月日は関係がないということです。

時効が成立しているかどうかは、アイフル株式会社との間で、最後に取引(返済または借入)したときから5年以上が経過しているかどうかで判断されるのであり、債権譲渡によって消滅時効の完成時期が変わることはないわけです。

また、この請求書には裏面に「当初契約の明細」と書かれた一覧表があり、その中に「債権の弁済期」との記載があります。

消滅時効が完成しているかどうかの判断は、弁済期から5年が経過しているかどうかによっておこないますが、注意していただきたいのは、このAG債権回収株式会社からの請求書に書かれている「債権の弁済期」には、正しい意味での弁済期が書かれていない場合があることです。

今回のご相談のケースについても、この請求書の「債権の弁済期」には、債権の「譲受年月日」と近い年月日が書かれていました。

アイフル株式会社とAG債権回収株式会社との間で債権譲渡がおこなわれたのは、令和5年など最近のことなので、ここに書かれている「債権の弁済期」で判断すれば、消滅時効は完成していないことになってしまいます。

しかしながら、実際の弁済期は、当初の借入先であるアイフル株式会社への支払いが滞った時期なのですから、請求書にある「債権の弁済期」とは関係なしに消滅時効援用は可能であるわけです。

債権の弁済期、譲受年月日の見方などの見方がわからない場合なども、時効援用は無理だと諦めてしまうのでなく、高島司法書士事務所(千葉県松戸市)までご相談ください。

3.弁護士法人日本橋さくら法律事務所からの通知

AG債権回収株式会社からの請求について、弁護士法人日本橋さくら法律事務所が「通知代理人」であるとして文書を送ってくることがあります。

「特別減額和解案のご案内」とのタイトルの通知書が、AG債権回収株式会社の通知代理人である「弁護士法人日本橋さくら法律事務所」の名義で送られてきたとのご相談もありました。

この通知書に書かれているのは、支払期日までに「特別決済額」に書かれた金額を一括払いすれば、残債権を放棄するという和解提案であるようです。

このような減額での和解提案書が届いた場合であっても、消滅時効が完成している場合には、当然のことながら時効援用が可能です。

特別な意味や法的根拠があって、弁護士法人を通知代理人として減額和解の提案がされているわけではありません。

わざわざ弁護士法人を「通知代理人」としてこのような文書を送ってくるのは、「弁護士からこのような通知が届いているからには、今から時効援用することは不可能なのであり、減額された和解提案額(特別決済額?)を支払うしか方法はないと誤解させる」ことを狙っているのでしょうか。

AG債権回収株式会社(または、通知人である弁護士法人日本橋さくら法律事務所)の意図はさておき、このような文書が届いている場合であっても、消滅時効が完成しているのであれば、時効援用をすることが可能です。

ただし、弁護士がから通知が届いているということは、この通知(「特別減額和解案のご案内」など)を放っておけば、その後は、裁判手続きに移行する可能性も高いので、できるだけ早く専門家(認定司法書士、または弁護士)に相談するべきです。

松戸駅東口徒歩1分の高島司法書士事務所(千葉県松戸市)でも、AG債権回収株式会社への時効援用のご相談をうけたまわっています。

当事務所へのご相談は予約制なので、ご相談予約・お問い合わせのページをご覧になって事前にご連絡くださいますようお願いします(LINEによるご相談予約もできます)。

下記は、AG債権回収株式会社(通知人弁護士法人日本橋さくら法律事務所)からの「特別減額和解案のご案内」の例です(通知文書の中から、一部分のみを抜粋しています)。

特別減額和解案のご案内

口座番号 XXXXXX-XXXX

ご契約者名 ○○○○様

下記債権について、お客様に対し支払期日までに一括返済で残債権を放棄する和解提案をいたします。

支払期日 : 令和○年○月○日まで

特別決済額: 1,000,000円

前略

 当事務所は、AG債権回収株式会社(以下、「債権者」といいます。)の委託を受け、本件通知の作成及び発送を行っております。これまで、債権者は貴殿に対し、後記記載の債権の支払いを再三求めてまいりましたが、いまだに入金の確認が取れておりません。

期日までに特別決済額を一括返済いただくか、当事務所 06-XXXX-XXXX

または、債権者AG債権回収株式会社(担当:○○○○) 077-XXX-XXXX までご連絡ください。

・上記番号へ繋がらない場合は、債権者AG債権回収株式会社へご連絡ください。

・有効期限を超過されますと、本来の請求内容にて請求させていただきます。

・本状と行き違いによるご返済の際は、ご容赦願います。

草々