気になるニュースを見かけたので、久し振りの投稿です。
弁護士や司法書士が、消費者金融などから返還された過払い金を、ご依頼者に渡さずに着服しているケースがあるとのニュースです。事実であれば明らかな犯罪行為ですし、通常は弁護士や司法書士がそのようなことをするのは考えられません。
じっさいの手続きでも、過払い金返還請求のご依頼を受け、相手方(消費者金融)と和解が成立したときには和解契約書を作成します。この和解契約書を見れば、過払い金がいくら返還されたかは明白ですから、返還された過払い金をご依頼者に渡さずに着服すれば、そのような事実はすぐに発覚するはずです。
過払い金が返還されなかったと言われたとき
ほとんどあり得ないことだとは思いますが、過払い請求を依頼した弁護士、司法書士から「過払い金が返還されなかったので、渡すお金は無い」というような報告を受けたとしたら、和解契約書を見せてくれるように求めるべきです。
ただし、過払いがあると予想して手続きをしてみたが、相手方から取引履歴を取り寄せてみたところ、当初から法定金利内の取引であったために過払い金が発生していなかったというケースもあります。
このような場合、過払い金の返還請求をせずに手続きを終了しますから、和解契約書の作成もおこないません。そこで、過払い金が存在しなかったという説明を受けた場合には、取引履歴を見せてもらうべきでしょう。
和解契約書や取引履歴を見せられないといわれた場合には、依頼した弁護士や司法書士が所属している弁護士会、司法書士会に相談してみるのがよいかもしれません。まともな専門家であれば、依頼された業務の結果を報告できないはずがありません。
依頼を受けていない人の過払い金を勝手に請求?
タイトルにもある新聞記事では、「依頼を受けていない人の過払い金を勝手に請求したケースもあった」とのことです。
弁護士1人、司法書士4人の依頼者については「弁護士や司法書士とは会ったこともない」と回答しており、依頼すら受けずに勝手に過払い金を請求した疑いがあるという。同社は「廃業した貸金業者などから流出した名簿を利用し、無断で過払い金を請求しているのではないか」と話している。
ここまで来ると、弁護士や司法書士が個人的にやっているわけでは無く、整理屋などといわれる違法業者が、提携している弁護士や司法書士の名前を使っておこなっているのでしょう。
悪徳弁護士、悪徳司法書士に遭わないために
今回、取り上げた記事は極端すぎるので、ご自分の意思で弁護士や司法書士に過払い請求を依頼した場合で、返還された過払い金を着服されるというような心配は基本的に不要です。
けれども、過払い請求をする際には、その弁護士や司法書士の事務所に出向いて、専門家(弁護士、司法書士)本人から説明を受けて、納得した上で依頼するのが安心です。弁護士や司法書士に会うこと無く、メールや電話だけで申し込めるようなところは避けた方が無難でしょう。