過払い金請求の相手方である、消費者金融やクレジット会社が倒産した場合でも、すでに過払い金の返還を受けているのであれば何の問題もありません。いったん返還を受けたお金を返却する義務は一切ありません。

しかし、過払い金返還について和解(訴訟上の和解も含む)したり勝訴判決を得てから、現実に返金を受けるまでの間に相手方が破綻し、会社更生、民事再生、自己破産といった倒産手続に入ってしまった場合、和解や判決どおりの支払いを受けることはできなくなります。

その後は、裁判所の監督の下で弁済が行われることになりますが、多くの場合、過払い金元本よりも返還額が大幅に少なくなるものと思われます。たとえば、平成22年9月に会社更生手続開始の申立てをした株式会社武富士の場合、過払い金元本に対する弁済率は3.3%(第1回弁済)となっています。

このように、過払い金の返還を受ける前に相手方が倒産してしまうと、受け取れる金額が大幅に減ってしまう可能性が高いので、相手方の経営状況によっては、多少の減額をしてでも早期返還を求めたほうが良いことも考えられます。