千葉県松戸市の高島司法書士事務所では、2002年2月に松戸駅近くで開業したときから20年以上の長期間に渡って、借金問題・多重債務解決のための債務整理業務に取り組んでまいりました。当事務所による、個人債務者の自己破産・個人再生手続きの申立件数は合計200件を超えています(事務所開業時から2021年末までの実績)。
松戸の高島司法書士事務所は、個人債務者の方の自己破産申立について豊富な経験と実績を有しています。これ以上、返済を続けていくのが困難だと思ったら、お早めに当事務所までご相談にお越しください。
(ご注意いただきたいこと)
当事務所への自己破産や個人民事再生申立のご依頼は、その大多数が千葉地方裁判所松戸支部の管轄区域にお住まいの方からです。そのため、このページでの解説はすべて千葉地方裁判所松戸支部への申立を前提にしています。
松戸支部へ申立をするのは、松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市にお住まいの方です。千葉県内の裁判所であれば基本的に取り扱いは同じだと思われますが、千葉県外の裁判所では大きく違う可能性もあるのでご注意ください。
自己破産の申立(目次)
1.自己破産とは
1-1.自己破産とはどんな手続なのか
1-2.自己破産のデメリット
1.自己破産とは
自己破産とは債務整理の一つであり、分割払いによっても債務の支払いが不能なときに選択される手続きです。裁判所へ自己破産の申立てをし、免責の許可決定を得ることで、債務を返済する義務が無くなります(税金やその他の非免責債権を除く)。
債務の返済義務を消滅させるという点において、自己破産は最も強力な債務整理の手段だといえます。自己破産をすることで、借金から解放され、速やかに新たな人生のスタートを切ることができるのです。
1-1.自己破産とはどんな手続なのか(自己破産の効果)
自己破産は、借金の支払い義務から解放される代わりに、その債務者の財産を債権者へ公平に配当し、それでも支払いきれない債務について免除を受ける手続です。
ただし、実際の自己破産手続においては、所有している不動産(マイホーム)、ローン支払中の自動車、その他のとくに高額な財産については手放さなければなりませんが、それ以外のご自宅にある家財道具や家電製品についてはそのまま維持することができます。
裁判所の係員が自宅にやってきて財産を差し押さえるようなことはありませんし、自己破産申立の前後を通じて、普通の生活を送ることができます(そもそも、自己破産をするのにあたって誰かが家にやってくるということは、不動産の競売手続をする場合を除いて一切ありません)。
また、司法書士に自己破産(債務整理)を依頼した時点で、債権者への返済を停止しますが、その後、督促の連絡が入ったり、自宅に取り立てに来るようなこともありません。
したがって、少なくとも、司法書士や弁護士の力を借りて自己破産申立する場合においては、難しくて手に負えないことや、怖いことは何もないといえます。
1-2.自己破産のデメリット
「破産」という言葉から受ける印象のせいか、任意整理や民事再生などの債務整理手続と比べて、自己破産することを非常に恐れる方も多いようです。しかし、自己破産をすることによるデメリットは、一般に思われているほど多くはありません。
たとえば、自己破産をしても戸籍や住民票に記載されたり、選挙権がなくなるようなことは一切ありません。また、自己破産したことを他人に知られる可能性も極めて低いといえます。したがって、自己破産申立により考えられるデメリットは、次のようなものに限られます。
- 自己破産による資格制限を受ける職業がある(主なものは次のとおりです。ただし、免責が確定すれば、そのような制限はなくなります)。
- 司法書士、弁護士、公認会計士、税理士
- 後見人、遺言執行者
- 生命保険募集人および損害保険代理店
- 宅地建物取引業および主任者
- 旅行業および取扱主任者、警備員
- 金融機関等の信用情報期間のブラックリストに掲載されるので、最低7年間位は、クレジットカードを使ったり、ローンを組むことができなくなる。
- 官報に掲載される(ただし、一般の人が官報を見るということはまずありません)。
自己破産することによるデメリットは上記のとおりなので、資格制限に該当する職業に就いていない場合には、事実上のデメリットは、7年程度の間は新たな借入れが出来ないことに限られます。
新たな借り入れが出来ないのは、任意整理、個人民事再生など他の債務整理手続でも同じですから、自己破産だけを特別に恐れる必要はありません。
もしも、それでもご心配なことがあるのならば、司法書士にご相談ください。きっと不安が解消され、安心して債務整理手続をすすめることができるはずです。
なお、財産をたくさん持っている資産家の方や、会社経営者または個人事業主の場合、破産管財人が選任されての管財手続が行われることもあります。この場合、破産手続き中は自分で財産を処分できなかったり、引越しや遠方への旅行が制限されることになります。
2.自己破産の手続(同時破産廃止の場合)
自己破産の申立をするときは、司法書士の指示に従って準備を進めていけば問題ありませんが、ご参考までに手続の流れを記載しておきます。
なお、ここで解説しているのは、千葉地方裁判所松戸支部に個人が自己破産を申立てする場合の一般的な手続(同時破産廃止)の流れですので、他の裁判所ではこれと異なることもあると思われます。
また、事案によっては破産管財人による管財手続が行われることもありますが、その場合、自己破産申立から免責許可決定が確定するまでの時期はもっと長くなります。
2-1.債権調査(受任通知送付)
司法書士へ債務整理の依頼をすると、司法書士から債権者に受任通知を送付します。消費者金融やクレジット会社が受任通知を受け取った後は、債務者本人に直接連絡を取ることが禁止されているので、たとえ支払いが遅れている場合でも督促が止まります。
また、受任通知を送ってからしばらくすると、債権者から債権届出があります。これにより債務の額を確定させ、債務整理の方法を決定することになります。
2-2.申立書作成・提出書類の収集
「破産手続開始・免責許可申立書」の作成、および必要書類の収集をします。書類の作成については、司法書士の指示に従って進めていけば、難しいことはありません。
破産手続開始・免責許可申立書には陳述書・財産目録・家計表・債権者一覧表が含まれます。必要書類については、下記の「4.必要書類と裁判所費用」をご覧ください。
2-3.裁判所への自己破産申立て
裁判所に「破産手続開始・免責許可申立書」とその他の提出書類を持参します。裁判所への書類提出は司法書士が行いますので、申立人ご本人が裁判所へ行く必要はありません。
申立後に、裁判所から書類追加や報告事項についての指示があります。このときの裁判所とのやり取りもすべて司法書士がおこなうので、申立人ご本人が裁判所の人と話をするようなことはありません
2-4.破産審問期日
現在、千葉地方裁判所松戸支部では、裁判官による面接はおこなわれていないのが通常です(同時廃止の手続きの場合)。したがって、自己破産する場合に、申立人ご本人は一度も裁判所へ行かずに済むことが多いです。
裁判所で裁判官の面接を受けます。面接といっても、報告すべきことはすでに書類で提出していますから、難しい質問をされることはありません。また、時間もほんの数分で終わるケースがほとんどですから心配は無用です。
破産審問期日は、自己破産申立日の2週間から1ヶ月後くらいの日になると思われます。なお、自己破産申立後に裁判所へ行くのはこの1回だけです(同時破産廃止の場合)。
2-5.破産宣告(同時破産廃止)
通常は破産審問期日と同日付で破産宣告が出ます。具体的には次のような決定がされます。
1.債務者 A につき、破産手続を開始する。
2.本件破産手続を廃止する。
破産手続を開始したのと同時に、破産手続を廃止してしまうのですから、実際に破産手続は行われないことになります。これを同時破産廃止といいます。
本来、破産手続では破産者が持っている財産をお金に換えて債権者に配当します。けれども、破産者が持っている財産が、破産手続をするために破産管財人に支払う費用に不足する場合には破産手続をしないということです。
個人の自己破産では、大多数のケースで同時破産廃止の手続となっています。この後、免責が確定するまでは破産者であることになりますが、普通に生活している分にはとくに制限はありません。
2-6.免責についての意見申述期間
破産宣告とあわせて、免責についての意見申述期間が定められます。
債権者はこの期間に免責についての意見を述べることができますが、貸金業者では無い、個人や仕事上の取引先などの債権者を除いては、実際に意見が出るケースはまずありません。
つまり、個人が自己破産をする場合に、銀行、消費者金融、クレジット・信販会社などが、免責について反対意見を述べることは皆無です。
免責についての意見申述期間は、「破産手続開始・破産手続廃止及び免責許可申立てに関する意見申述期間」についての官報公告が効力を生じた日から起算して1ヶ月以上とされています。
破産宣告が出てから、上記の官報公告が掲載されるまでに2週間くらいかかりますから、破産宣告日の2ヶ月くらい後が免責についての意見申述期間の期限になるものと思われます。
2-7.免責許可決定
免責についての意見申述期間を過ぎて、裁判所が免責をするのが相当だと認めた場合に免責許可決定が出ます。通常、免責許可決定が出るのは、免責についての意見申述期間経過から数日後(1週間以内)です。
2-8.免責許可決定の確定
免責許可決定が出てから2週間くらいで官報公告がされます。さらに、この公告が効力を生じた日から2週間が即時抗告期間となります。この期間が経過し、即時抗告がなければ免責許可決定が確定します。
免責許可決定が確定することで、破産者は復権します。つまり、破産者としての制約を受けることがなくなるわけです。これで自己破産の手続は全て終了です。
3.手続きにかかる期間
自己破産の手続きは、免責許可決定が確定することで終了します。それぞれにかかる期間は次のとおりです(千葉地方裁判所松戸支部での破産同時廃止手続きの場合)。
- 裁判所への破産申立をした2週間から1ヶ月くらい後に、「破産審問期日」(裁判官による面接)があります。
- 破産審問期日のと同日付で破産宣告が出ます。このときから2ヶ月間くらい後の日が、「免責についての意見申述期間」と定められます。
- 免責についての意見申述期間の経過後に、「免責許可決定」が出ます。さらにその後、1ヶ月間くらいで「免責許可決定が確定」することになります。
つまり、千葉地方裁判所松戸支部での同時破産廃止の手続では、自己破産の申立てをしてから、免責許可決定が確定するまでの期間は4ヶ月前後だということです。
4.自己破産の必要書類と裁判所費用等
4-1.必要書類
自己破産申立の主な必要書類は次のとおりですが、他にも書類が必要になる場合もあります。この他に、破産手続開始・免責許可申立書(陳述書・財産目録・家計表・債権者一覧表)を作成します。
- 住民票(申立前3ヶ月以内、本籍地の記載のあるもの)
- 銀行などの預金通帳(過去2年分)または取引明細書
- 退職金見込額がわかる資料(退職金支給規定など)
- 給与明細(最近のもの2ヶ月分)
- 受給証明書(生活保護、年金、失業保険、児童手当など)
- 税金申告書の控え(確定申告をしている場合、直近2年分)
- 源泉徴収票または課税証明書(非課税証明書)
- (自動車を持っている場合)車検証、査定書(時価が分かる書類)
- (保険に入っている場合)保険証券および解約返戻金の金額がわかるもの
- (賃貸住宅に住んでいる場合)賃貸借契約書
- (不動産を持っている場合)不動産登記簿謄本、固定資産評価額証明書
4-2.裁判所費用等
自己破産申立をする際には、収入印紙、切手と、官報公告のための予納金を裁判所に納めます。同時破産廃止にならず破産手続がおこなわれる場合、破産管財人費用(通常管財だと50万円~、代理人による申立で少額管財の場合には20万円)がかかります
必要な切手は、申立てをする裁判所により異なる事があります。下記は千葉地方裁判所松戸支部の場合で、千葉地裁本庁では1,230円分(内訳:82円×15枚。債権者数が12名を超える場合は,82円×(債権者数+3枚))となります)。
- 収入印紙 1,500円
- 切手 82円切手を債権者数プラス5枚(たとえば、債権者が5社なら10枚)
- 予納金 10,584円
上記の他に司法書士や弁護士に依頼する場合には、その費用(報酬)がかかります。松戸の高島司法書士事務所にご依頼いただいた場合の費用は、債務整理の費用のページをご覧ください。
5.個人事業主・会社代表者の自己破産
個人事業主(自営業者)・会社代表者(代表取締役)が自己破産の申立をしようとする場合、給与所得者(会社員、公務員、アルバイト、パート)や無職の方の場合とは、裁判所での取り扱いが異なるのが原則です。
5-1.個人事業主(自営業者)が自己破産する場合
個人事業主(自営業者)が自己破産する場合、同時破産廃止とならず、破産管財人が選任されての破産手続がおこなわれるのが原則です。
実質的に事業を停止しているような状態であって、資産がほとんど無いような場合には、同時破産廃止の手続きになることもありますが、同時破産廃止になるかどうかは申立をした後に裁判所によって判断されることです。
そのため、同時破産廃止になることを期待して自己破産申立をしても、裁判所は破産管財人を選任するとの決定をすることもあるわけです。弁護士が申立代理人となっていない場合は、通常管財となるのが原則でありその場合の費用は最低50万円となります。
それに対し、弁護士が申立代理人であるときは、管財事件になったとしても少額管財(20万円)になる可能性もあるでしょう。そこで、当事務所としては個人事業主(自営業者)の方の自己破産については、できる限り弁護士に依頼することをお勧めしています。
個人事業主の方の自己破産申立でも、当事務所で書類作成をして申立てをおこない、同時破産廃止になったケースは数多くあります。けれども、これから申立てをおこなった場合に、管財手続き(通常管財)になる可能性も十分あるわけですから、弁護士を代理人として申立てをおこなうことをお勧めするわけです。
なお、個人事業主の方からのご依頼の際、自己破産では無く個人民事再生を選択したこともあります。司法書士の書類作成により個人民事再生申立をしたときは、個人再生委員が選任されるのが通常だと思われます。
そのため、個人民事再生では必ず個人再生委員の費用がかかることにはなりますが、小規模な個人事業主の方の場合であればその費用は15万円(住宅ローンが無いとき)で済むと思われます。したがって、今後も収入の見込める、小規模な個人事業主の方については、個人民事再生を利用するのも選択肢となります。
5-2.会社代表者(代表取締役)の自己破産
会社代表者(代表取締役)が自己破産をしようとする場合、代表取締役個人の自己破産だけで無く、法人の自己破産も同時に申立するよう求められるのが原則です。そして、法人とその代表取締役との自己破産申立をした際には必ず管財手続きになるものと思われます。
管財手続きの予納金は、弁護士を申立代理人としていない場合には、非常に高額となる可能性が高いです。そのため、会社代表者(代表取締役)の自己破産申立については弁護士に依頼するのが原則であり、当事務所では会社代表者の方についての債務整理は承っておりません。
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